巨人の肩に立ちたいゲイ

30代ゲイのブログ。ゲイとしての考えたことをアウトプットしたり整理したりするような場にできればと思っております。やまとなでしこの頃の堤真一が好きです。

間髪入れず初体験したときの思い出(2)

初体験の記憶について書きました。それ自体は概ね良い思い出です。そもそもロマンチックな初夜を妄想するタイプでもなかったですし、現実というのは妥協の積み重ねなのだと今でも思いますので。いやこれは流石に失礼だな。

 

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 さて、この初体験には続きがございます。SNS経由で知り合ったこの男性。週に1回程度書いていた日記の内容が少しづつ変化するようになりました。それとなく、気になる人ができたという話題であるとか、その気になる人に罪悪感がありプールで監視員のお兄さんを目で追うのをやめたという話題であるとか、まあそんなことを主題とは別のところで触れるようになったのです。もともと非常に文章の上手い方でしたので、さらっと、あくまでにおわせる程度でした。しかし、どうしてもそれまでの文章とは雰囲気が違うような。

 

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今は亡きメンミク。アプリもいいけど、日記とかのほうが人となりが見えるのは確か。

 

思い当たる節はありました。その人とは初体験以降もう一度だけコトに及んだのですが、その際にちょっとずつお互いのことを話していました。初めてまともに会話が成立するゲイの男性に会ったこともあり、僕は普段よりも饒舌になっていたのかもしれません。そのうち僕の語った身の上話のいくつかが、恐らく彼のパーソナリティー、というかトラウマに関わる部分をくすぐる点があったのは確実だったように思うのです。ここまで書いておいて今更まどろっこしい言い方をするなという感じですが、当時の僕にとってはまあそれなりにヘビーな話でした。

 

結局、そもそも童貞を捨てたいとかいう程度の軽い気持ちでその男性と関係を持っていた僕は、ちらりと覗く彼の個人的な背景みたいなものに引いてしまい、これは自分の手に負えるものではないなと感じました。身もふたもない言い方をしてしまえば、面倒くさくなってしまったんですね。ちょっと怖かったこともありますし。そんなこんなで、次第にメッセージのやり取りからフェードアウトを図るようになりました。最後に、ちょっと長文のメールが来たのですが、ちょうど部活の合宿中だったこともありよく読まずにスルー。これはまあ、100%僕が悪いんですが、これで幕引きできたのかなと思っていたわけです。

 

ところが。それから1月ほど経って。当時大学4年生でしたので卒論執筆のため研究室に配属されていた僕は、その日も研究室に居り、夜になってそろそろ帰ろうかなと荷物をまとめていました。不意に研究室の扉がノックされ、こんな時間に誰だろうと不思議に思いました。そもそも部屋をノックする文化のない研究室でしたから、その音自体が違和感のあるものでした。一緒にいた同期が「どうぞー」と声をかけると、「sholders君いらっしゃいますか?」と僕を探しているようなのです。僕が扉が開けてみると、そこには件の男性が立っていました。うん、ホラー。あまりのことに動揺し、それでも冷静さを装って廊下へ誘導。開口一番彼が口にしたのは「事故か何かで死んでしまったかと思って心配した」という内容のものでした。

 

更に動揺する僕。なぜ死んだということになるのだろうか。曰く、連絡がとれなくなったから心配して、大学・学部・僕の名前から所属している研究室を見つけて、事故にでもあってないか確かめに来たのだと言うではないか。まず最初に思ったのは、とんでもないことになったぞと。続いて、自分の在室中でよかったと。その場では何とか「忙しくて」というような愚にもつかない言い訳をして帰宅いただきました。研究室には同期の他誰もいませんでしたし、彼は他人を深く詮索するタイプの人間ではありませんでしたので助かりました。

 

この経験は僕にまた新たな示唆を与えました。まず、出会ったばかりの人にべらべらと自分の個人情報を喋るべきではないということ。僕、臆病ではあるんですけど思い切りのよい一面もあって(面倒くさがりとも言う)、情報統制せずに結構いろいろと話していたんですよね。今回は自分の身の上話だったり、あとは本名ね。今思えば危険だわな。続いて、文章がちゃんとしてる人にもヤバい人はいるということ。というか、もしかするとメンヘラ気味の人のほうが文章上手いってのは普通に考えられますよね。やはりどこか内省的なところのある人は繊細な文章を書きます。そして最後に、相手に対して不誠実なことをすべきではない。これはもちろん相手のことを考えてのことでもありますが、同時に自分の身を守るためにもそうすべきだなと。そのような勉強をすることになったわけです。これまで、友達関係などについては上手にコントロール出来ているぞなどと考えておりましたが、ことゲイとの関係性においては初心者も初心者。恋愛偏差値を上げるような努力も機会もございませんでした。

 

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結局、その男性とは気まずさからそのまま会うこともなくなったのですが、その後ふと気になってSNSを見ると、これまた非常に洗練された文体で、しかし少し直接的に失恋について書かれていました。うーん、どうやらやはり、だいぶ本気であったようでした。申し訳ないという気持ちと、でもこんな青臭い大学生に40過ぎの大人が本気にならないでくれ給えよ、という無責任な気持ちがないまぜになり、何とも言えない複雑な心境のままブラウザを閉じました。もし仮に、その男性と再会することがあれば、当時の振る舞いををちゃんと謝罪したいなという思いがあるのですが、そもそもブログにこんなに明け透けな内容を書き散らしている時点で、本質的には何も成長できてないのかもしれませんね。おわり。