巨人の肩に立ちたいゲイ

30代ゲイのブログ。ゲイとしての考えたことをアウトプットしたり整理したりするような場にできればと思っております。やまとなでしこの頃の堤真一が好きです。

お会計問題に関する宗教論争の技術的アプローチ

アプリなんかで連絡取り合って、じゃあ会いましょうかとなると、僕の場合は大抵晩飯を食べに行きます。先方がアルコール大丈夫な場合はお酒も飲んだりします。僕は割とお喋りなほうですが、酒が回ってくると尚のこと饒舌になってしまいますので、努めて相手の話を聞くようにします。お互いにいい感じであることが分かればその日のうちにコトに及ぶにやぶさかではありませんが、多くの場合は次回以降に持ち越しです。最低限の貞操観念、あります。他方、こちらが好ましく思っていたとしても、反応がいまいちであるなとか、まあ比較的残念な感触に終わるケースも当然ながらあるわけで、そんな時はスゴスゴと引き下がります。内に秘めたるガラスのハートの強度を考慮すると、ムリめの勝負に打って出ることができないのです。チキンなのです。

 

さて、お店を出るときには支払いがつきもの。その先に待つものがワンナイトなラブであるならば、その雰囲気を壊さないお会計を心がけたいものですし、それが望めないのであればせめて、これ以上傷口を広げぬようスマートな振る舞いに徹したいものです。お会計、これはゲイにとって永遠の課題なのです。

 

f:id:shoulders:20190803053146j:plain

ゴッドタン好きすぎる。

 

支払い方に関していえば、均等に割り勘・片方が多めに支払う・奢るの3通りです。ここにお互いの関係性、例えば年の差などが勘案されることが多いと思います。僕は年上の方とお会いすることが多いのですが、基本的には割り勘をお願いします。今後もお会いしたいと思えばフェアにいきたいですし、諸事情により厳しいなと感じた場合は変な話借りを残したくないと考えるからです。

 

以前、ボディービルの大会に出場するくらいに身体をバキバキに鍛えている殿方とお会いした際、かなり強引に支払いを断られてなし崩し的に奢られたことがあります。その後の食事の誘いを断った際「じゃああの時の食事代返して」とご連絡いただき、このような大人にはなるまいと心に誓ったものでした。あれ、会計の時点で態度を保留せず、もうあなたとベッドインどころか食事をするつもりもございませんので、自分で食べた分は支払います、と伝えるのが正解だったんでしょうか。めんどくせえな。

 

年下の場合はどうでしょうか。数こそ多くはないものの、年下の方からアプローチいただく場合、基本的には奢るようにしています。これは部活やら会社やらの文化としてその作法が染みついているという側面もありますが、要は考えるのが面倒でこのようにしているとも言えます。ケチな男だと思われたくないし、奢っておいて悪い印象は与えないだろう、と。んで下心がある場合には、タダ飯を理由に次回会う際の心理的ハードルを下げたい、なんなら断り難くさせたい、とも。従って会計はお手洗いなどで席を立った時に一人でさっさと済ませてしまいます。有無を言わせずです。でもこれ、あの人と同じでは?結局は支払い金額で精神的マウントを取りたいんだよね。違うのは賠償請求してないとこだけか。だせぇな。

 

この点については、先ほどとはまた別の、だいぶ仕事も遊びも手練れでありそうな御仁が言っていたことが印象に残っていて、曰く「奢らないようにすることで、それでも俺と飯食いたいって思ってくれる後輩とかが本当についてきてくれるやつなんだなって分かる」だそうです。そりゃあなた、あなたにそれだけの人間的魅力が備わっているからこそ成立する理論ですわ。嫌味なやつ。それにしてもいい男だったなぁ...

 

ここまで書いてみて、結局僕一人の中でさえ立場の異なる2人が会計をする際の態度に不整合があるわけです。年上は奢るべし。年下は割り勘を心がけるべし。しかも、双方の関係性をあえて年齢差に限定して検討してきましたが、当然のことながら恋愛市場における相対的立ち位置であるとか、どちらがどちらにより惚れているかだとか、話をややこしくする要素はいくらでもあるのです。

 

マッチョで話が面白くて僕によくなついてくれている部活の後輩のような年下の男の子が目の前に現れたのであれば、もう奢るどころの話ではないですね。いろいろプレゼントしてあげちゃうかもしれない。ラグビーのユニフォームであるとか、TOOTのいやらしい下着であるとか。でも、心得ている後輩であればご馳走になるたびに過剰なほどお礼を言ってくれるでしょうし、プレゼントに対してはしっかり着用して見せてくた上で、後日何らかのお返しを用意してくれるでしょう。この一連の流れ、プライスレス。結局惚れたほうが負けの世の中です。

 

新型コロナウィルス流行の折、なかなか飲みに行くという機運になりにくいご時勢。そんななかZoom飲みなんてものをやってみると、あこれって終わったらすぐ風呂入って寝れるし、自分の酒量を守れるし、離れてるヤツとも簡単にしゃべれるし、悪くないと思ったのです。ただし、なし崩し的なワンナイトが望めない以上合コンやリアルのような出会いを目的とする試みには馴染まないはずで、だからこそお会計問題に対するアンサーたりえない。結局仲間うちでの飲み会のツールなのであれば、どちらがお会計をもつのかというヒリつくような駆け引きは生じません。

 

ところが、まわりではちらほらZoomで合コンやらオンラインデートなるものに挑戦する人々がいるようなのです。そこまでして出会いたいものか、人の欲望というのは底知れないもの。いとも簡単に商売として成立する様子を見ていると、人類はまだまだ繁栄していくのだなぁ、と少しだけ未来に希望が持てそうです。かく言う僕もアプリで2名ほど、連休中にテレセ?的なもののお誘いを受けまして。丁重にお断りいたしましが、こんな辺境のゲイにまでオンライン化の波が押し寄せてきているのです。驚きです。

 

考えてみれば、ゲイの出会いだって昔は飲み屋や発展場等が起点となっていたところ、文通や掲示板などがその役割を代替するようになり、現在ではアプリや各種SNSが大きな割合を占めています。今でこそアプリでプロフィールなどを公開し、一定程度のチャットを交わしてから実際に出会うという流れが一般化していますが、それさえ本来流動的なはず。今後は性病の有無などと共にコロナウィルスに対する抗体についても情報交換した後、まずはオンラインで顔合わせ。そこで意気投合すれば、場合によっては多少の見せあいなどで互い気分を高め、「顔も身体も写真の通り、結構ノリもよさそうだし一物の様子もほぼほぼ確認済み、これは間違いない!濃厚接触のリスクを許容できる!」となったところで初めてリアルが成立、なんて。

 

ここまで互いについてすり合わせが済んでいれば、もしかするとお会計問題について深く考える必要がなくなるやも。結局は互いの関係性が宙に浮いている状況でこそ生じる悩みでしょうから、それなら事前に関係性を構築してしまえばよいわけです。ま、ここまで書いてみてやっぱそんなのつまらないと思ってしまう僕は、もはや古い人間なのかもしれないですね。数年後が楽しみです。