巨人の肩に立ちたいゲイ

30代ゲイのブログ。ゲイとしての考えたことをアウトプットしたり整理したりするような場にできればと思っております。

中孝介がハッテン容疑で捕まったわけだが,俺はこれからも銭湯に行くぞ

そう高らかに宣言しようと思います.結局不起訴になったわけですので,今回の事件がどんな状況だったのかは恐らく詳らかにされることはないでしょうが,事実としてゲイが公衆浴場でハッテン行為に及ぶというのは決して珍しい話でもありません.誠に遺憾ではありますが,これはもう認めるしかない.報道によると品川区の施設ということで「ありゃ,お風呂の王様某店かな?」と思ったのですが,住所的には小山ということでして,それじゃあ若い人に有名な(ゲイではなく整う的な意味で)清水湯かしらん.でもあそこいつも賑わっててそんな雰囲気じゃない気もするけど.するとどうやら,西小山の駅近くにある東京浴場なんだそうな.深夜2時まで開いており,当該事象も未明のようでしたから,まあ多少のハッテンポテンシャルはあったのかもしれません.知らんけど.過去には「ゲイだからって全員が銭湯でハッテンするわきゃねーだろ」という趣旨のブログを書いたものの,やはり知名度のある人の報道が出るとね,説得力を失ってしまうのです.困りましたねぇ.でも俺はこれからも銭湯に行くぞ.まあ,黒って決まったわけじゃないけれどさ.

報道を見る限りお風呂の王様でないことは確かです.

 

shouldersofgiants.hateblo.jp

 

てなわけで今一度,一種の思考実験として考えをまとめておきたいと思いました.ゲイの存在が可視化され,特にLGBTQという大きなくくりの中で議論がなされるようになっている昨今,トイレや入浴施設等におけるゾーニングや利用制限がしばしば話題になります.何故かトランスジェンダーの扱いと混同して語られることもあり,本件に対する世の中の認識というのはまだまだ注意が必要なのです.

 

僕たちゲイは銭湯に入ってよいのか,について考えてみましょう.炎上以降,すっかり大人しくなってしまった銭湯サークル会長さん(現役)のポストがまだ残っておりましたので引用しますけれど,この前後の主張を雑に要約すると「同じ浴室にゲイがいると発覚した時点で,ストレートの人間はどうしたって不快感」「ゲイの人は銭湯でゲイであることをオープンにすべきではない」ということです.これ,実際問題として多くのストレート男性の率直な意見なんだろうと思います.やっぱりね,入らないでいてくれるなら,そのほうが気分がいいでしょうね.

 

 

しかし,指定暴力団でさえ問題なく入れる公共性を持つのが一般公衆浴場です.そこからも追い出されるべきだなんて,カミングアウトってずいぶんと業の深い行為なんですね.そもそも,銭湯って「他人と一緒に」「裸で」入るものなのに,どうしてそこまで「裸を見られたくない」って話になるんでしょう.隠すなり,銭湯に来るのをやめればいいだけの話ではないのでしょうか.銭湯に入る権利は誰にでも与えられているけれど,銭湯で自分の思い通りに過ごせるかどうかについては,誰も保証していないはずです.

 

少し別の視点からも考えてみましょう.身体的なコンプレックスがある人がいたとします.その人は周囲の目が気になって銭湯に行くのが躊躇われるとしましょう.別にそれは包茎でも薄い頭髪でも黒い乳首でも何でもよいでのす.それを見られるのが嫌だとして,なんらかの措置を求める正当性はあるでしょうか.ズル剥け男性を排除する?もしくは包茎男性だけが入れる時間帯を設ける?果ては「包茎を馬鹿にする」ような思想を有している人は銭湯に来るべきでないという運動を始めるつもりなのでしょうか.

 

もちろんそんなことはあり得ません.銭湯には行かなくたっていいわけですから,気になるならその人が行くのをやめればいいわけだし,どうしても行きたければ人目の少ない時間を選ぶなり妥協すればいいのです.制度やシステムで保証する必要などありません.もちろんマナー違反者はつまみ出して出禁でいいでしょうし,法を犯したなら検挙されてしかるべきでしょう.しかし,なぜ顕在化していない「ゲイの性的な眼差しに晒される可能性」にまで言及してしまうのか.「あ,包茎だ」という周囲からの目線は許容するのに.

 

歴史的に見れば,明治以前の日本では男女混浴でさえ一般的でした.今でも小さな男の子が(年齢の規制はあれど)母親と一緒に女湯に入ることもあるでしょう.欧州のいくつかの国においては,全裸で男女共用のサウナを使うことがごく普通ですし,一方で入浴の際は水着着用という,日本人からすると不思議なルールが存在しています.このような状況を鑑みて尚,ゲイとストレートの混浴はそんなに致命的な問題たりえるのか.ご時世柄,LGBTQが取り沙汰されるようになり,その目線に今更ながらに敏感になったというのが実際のところかもしれません.公然の秘密として無視され続けていたところから,銭湯文化にまで影響を与える得るようになったのだと考えると感慨もひとしおですが,やっぱりつまみ出されるのは違うと思うんですよね.

 

全ての視線は潜在的に「規制」の対象に成り得えますから,完全にニュートラルな,もしくは他人に一切の興味のない人間しか銭湯に入ってはいけないのでしょうか.しかし内面に踏み込んだその規制は本質的に個人のプライバシーや基本的人権を侵害します.性的指向に限らず外見から判別不可能なものは,運用自体が困難かつ差別的になりかねません.このような倫理的・実務的な問題を解決する実効的な方法がない段階での主張は,まあ無意味ですよね.こちらの「良識」に委ねて銭湯から排除するという会長さんのアイディアはちょっと無理筋ですし,どちらかというと「良識」に欠けるのは会長さんの方であったわけですけど.

 

そんなわけで,冒頭に書いた通り俺はこれからお銭湯へ行くぞ,となるわけです.そりゃあ場合によっては魅力的な男性を目で追ってしまうこともあるでしょう.しかしながら,これまで最低でも数十回に及ぶ集団入浴を経て尚,銭湯では不同意性交はおろか勃起もしたことがない僕です.ほとんどのゲイにとって銭湯というのは「勃起すべきでない場」なのです.問題はね,銭湯を「潜在的なハッテン場」だと勘違いしている輩.背徳感と性的興奮を混同しているタイプなんでしょうか.確かに,深夜に1人で長時間銭湯に滞在し,ジムで鍛えた身体に短髪で髭,そんでもってロッカーキーを足につけててやたらと視線が合う,挙句の果てには湯船の中で足先がかすかに触れていて...なんてことになったら確定なんでしょうが,24会館の風呂じゃあるまいし,公共の場でそんな激ヤバムーブかましてくるのはろくな男じゃないんで相手にすべきではないでしょう.まあ,報道なんかで語られている話を総合すると,中孝介氏のペルソナに割と近いわけですけど.あ,もちろん不起訴だけどね.

 

shouldersofgiants.hateblo.jp

 

銭湯でインスタントな相手探しだなんて,冷静になって考えれば頭おかしいのでまともな人は近づかないはずですが,頭のおかしい人たちが一定数集まってよろしくやっているというのもまた事実.困ったものです.公衆浴場法にはこんな条文があります.

第五条 入浴者は、公衆浴場において、浴そう内を著しく不潔にし、その他公衆衛生に害を及ぼす虞のある行為をしてはならない。

「ゲイとしてのまなざし」自体が糾弾されるのならば声を上げますけれど,「公衆衛生に害を及ぼす虞のある行為」は普通に捕まえてもろて.まあ公衆浴場法とか以前に,公然わいせつだとか迷惑防止条例だとかに該当するんでしょうし,不同意性交等罪が成立することもあるでしょう.冒頭にも書きましたけど,今回の事件は不起訴になっているので,こんなブログであっても僕がいろいろと書き立てるのは品のない行為であることは重々承知していますが,やっぱり無かったことにするってもなんか違うと思うし.公式に状況の説明が追加されて,完全に否定されるだとかがあれば責任をもって記事を修正いたします.ちなみに中孝介の楽曲だと森山直太朗が提供した花が名曲だと思います.(という露骨なフォロー)