巨人の肩に立ちたいゲイ

30代ゲイのブログ。ゲイとしての考えたことをアウトプットしたり整理したりするような場にできればと思っております。

雑魚モテ・あいみょん・バレンタイン

稚拙な恋愛をしてきた気がします.恋愛体質というのとは真逆でして.別に大して好きでもないけど一緒にいて楽しいし,相手から告白されたから流れで,という感じで付き合ったりしてきました.付き合ううちに気持ちが後からついてくるタイプだと思っていたけど,それは単に情が沸いただけかもしれなくて,能動的な恋の駆け引きをしてこなかったわけです.要は恋愛偏差値が低いのです.

 

恋愛に対する熱狂の度合いと恋愛偏差値とにどの程度の相関があるものなのでしょう.ハイネではないが,恋に狂えば恋愛の試行回数を稼ぐことには貢献するだろうけれど,技巧や戦略性という観点では偏差値の向上に寄与しそうにありません.そう考えると,冷静だけれども恋愛には貪欲という人格障害者のごとき肉食性が求められているのでしょうか.だとしたらそんな偏差値いらんわな.

 

 

倉田真由子は雑魚モテという概念を創始しました.本命以外からのモテばかり集めてしまう性質の呼称でして,まあどう考えても悪口ですよね.語感もエグいし.僕自身の恋愛を振り返ってみるとどうでしょうか.これまで何人かに告白され,その時々で受けたり断ったりしてきました.しかし心の底から嬉しかった告白は実のところ一度もなかった気がするのです.なんとなしに気が重いと言うか,これで僕は「予約」されちゃった立場になるのね,というかんじ.一方で,誰かに求められるという状況は自己肯定感を高めるし,別に付き合うのを望んでいなかったわけでもない.そもそも魅力的と思えない人とは何度も会ったりはしないわけで,その観点からすると僕にとっての「雑魚」ではもちろんあり得ない.ただ単に,相手がアイディアル彼氏,つまり堤真一でなかったという事実に対して落胆しただけかもしれない.こんなことでは幸せになれるわけがありません.

 

 

僕は年上の殿方を好むわけですが,例えば年下好きの40代後半~50代男性にとっては悪くない物件であると推察できます.自分で言うのもなんですが,それなりに需要があるのです.ゲイの恋愛市場は多様性に富み,二丁目に捨てるゴミなしとも言われます.確かにその一面があることは否定しませんが,競争力について言えば,30代半ばで定職についている平均的な外見のゲイ男性は市場価値においてアラフィフ男性より相対的に優位であることに異論を挟む余地はありません.この事実を踏まえると,僕は年上の男性を求めているのか,それとも求められるがままに愛想よく振る舞った結果年上好きであると自己暗示にかかっているだけなのか,途端にあやふやな気がしてくるから不思議です.

 

結局のところ君はさ

どうしたいの?

まじで僕に愛される気あんの?

 

あいみょん「愛を伝えたいだとか」

 

果たして僕は何がしたいのでしょう.年齢差に頼った関係性を構築しておいて,構造的なちやほやを満喫し,ときにはセックスもしたい.けれど相手に専有されるというか,専売契約を結びたいとも思えない.これまでの経験上,誰かと一緒にいないと心の安寧が保てないというタイプでもないはずなのです.

 

愛を伝えたいだとか

愛を伝えたいだとか

  • アーティスト:あいみょん
  • ワーナーミュージック・ジャパン
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バレンタイン.基本的には「のれない」イベントのひとつなのですが,今年は直近でいい感じの2名の年長男性からそれぞれチョコを頂くことになりました.もちろんセックスはあります.しかし僕に付き合うつもりはあまりありません.どちらもひと月かふた月に1度食事をする程度で割り勘.この状態が一番心地が良いのだけど,イベントごとになると関係性を進展させようという動きを感じなくもなく,優柔不断な僕には少し気が重いのです.曖昧で発展性のない立ち位置から,突然責任を取れと迫れれたような居心地の悪さ.誕生日は適当にはぐらかすことが多いのだけど,バレンタインは自明なので攻め時なのかもしれないですね.

 

何れにせよ,それぞれから別々にチョコレートを頂いたわけです.義理か本命か審査するのは野暮ですので,僕は見てみぬふりをしつつチョコレートを味わいました.どちらもとても美味しゅうございました.とは言えもちろん値段を調べまして,一粒1000円近いとのこと.なんと,まあ.

 

チョコレートって値段が誠意みたいなかんじがして芸がないですよね

続いて僕はお返しについて思いを巡らせました.ご飯は基本的に割り勘だけれど,その後のお茶なんかは多めに払ってもらったりすることもあるし,そんなわけで奮発してoofosのリカバリーサンダルやらLe labのシャワージェルのトラベルセットなんかをプレゼントしました.それぞれ金額的にはチョコレートとほぼ同額になるように調整しており抜かりありません.お返しとしてのホワイトデーならばそこはお菓子にすべきなのかもしれないし,そもそもプレゼントには消え物が良いと言われるのも知っているのですけれど,個人的には多少なりとも役立つものが好みです.使わなければ他人にあげられるようなものを選んだつもりですが,果たしてどうなんでしょうね.

 

 

短い春が終わり,街は完全に夏の様相を呈しているのにも関わらず,なんだか僕の胸には薄い罪悪感が漂っています.冬眠したままにも思える自らの恋愛感情と,甘えた関係性の居心地の良さに浸かり,面倒事を避け続けている不誠実さに嫌気がさしているのでしょう.煮え切らない態度をとったバレンタインからもう3か月です.

 

曖昧で傷つかない立ち位置を好む僕にとって,恋愛はきっと少し厄介で,だけど無視しきれない何かなのです.ことあるごとに堤真一への愛を述べること自体,安全圏から一歩も踏み出したくない頑なさの現れかもしれません.ホワイトデーのプレゼント選びに心を砕いたりするのも,結局は相手との距離を一定に保とうとする自己防衛の一環.それでもなお,こうしてブログなど書きながら,誰かと関わり合おうとしている自分を完全に否定することもしないのです.

 

恋やら愛やらを歌い続けたあいみょんはどんどんいい女になっていきました.「あなたの両目をくりぬいて 私のポッケに入れたなら」などと言っていた19歳の頃の面影はありません.たとえ稚拙であっても,恋愛に身を任せることさえできたならもう少し楽しく生きられるのでしょうか.おじさま方とそろそろ飯に行く頃合いだなと考えつつ,だとすると直前の週末には髪を切っておかなきゃと無意味な合理性を発揮する僕は,いつまでたってもいい男にはなれそうもありません.