続きです.
はじめて入った,しかも10年ぶりのハッテン場という完全なアウェーの地ではありましたが,年下相手にタチをやるということでイニシアチブを握ろうと試みます.パンツを脱がし乳首や太ももなんかさわさわ.そのうち首筋がめちゃくちゃ感じることがわかりぺろぺろ.やはり状況的に緊張してしまい息子の勃ちは悪いものの,相手への愛撫で時間を稼ぎつつ自らの気分も高めていきます.対照的に終始ガチガチのDIESELくんはよく感じてくれているよう.かわいいやっちゃ.
そのうちに舐めたくなってきたとの申告があったので攻守交代.こちらのフニャチンが気になってのことだったかもしれませんが,がっつりフェラされてなんやかんや準備完了です.すごい上手だったってわけじゃないけど,やっぱりイケメンが一生懸命やってくれてる姿にはグッと来るものがありますよね.とりあえずこれなら挿入まで行けるでしょう.一度気分がのってしまえばこんなものです.男の子だもの.
というわけでゴムつけてまずは脳死で正常位.入れやすいってのもあるし,なにより挿入時の表情が見れるのがいいですね.あの何とも言えない,期待と苦悶と快感のないまぜになったような例のやつ.人によってそのバランスは様々です.あとは目線も大事でして,大きく4つのタイプに分けると
- こちらと目線を合わせる(ちょっと上目遣いで)
- 挿入されるチンコの方を見てる
- 目を瞑る
- 上とか横とかを見てる
だいたいこんな感じに分類できるかなと.個人的には1番だと俄然ギンギンになってしまうのです.ちょっと芝居がかってるきらいもあるけれど,セックスは共同作業ですし,お互い気持ちを高めあっていけたら最高じゃないですか.2番もなんか間が抜けていて愛おしい感じが捨てがたい.3番だと自己陶酔型セックスをかましてくるウケが一定数いるのですが,それはそれで興奮する.4番は程度によるけど余所見してるんじゃなければ無問題.ちなみに彼は目を瞑ってました.
ひとしきりヘコヘコ腰を振ってから,続いて寝バックでガッツリと.人によっては背中からうなじにかけてを刺激すると凄く感じる人がいるのですが,彼はまさにそれでした.首筋もビクンと身体を震わせて気持ちよさそうだったしね.ゲイのモテ要素としての髭ってありますけど,僕にとってアゴ髭はセックスの道具なんです.自分の髭面はあまり好きじゃないし,ちょっと濃すぎて手入れが面倒ではあるものの,2~3日伸ばしたアゴ髭はちょうどよい固さを有しており,両手・チンコ・舌先に続く性感帯を刺激するための道具足り得るのです.バリエーションは多いに越したことがないですからね.
程なくして向こうが無事に果て,続いて僕も絶頂に達すると,いそいそと身体に付着した精液を拭き取りつつ束の間のピロートーク.年齢を聞くとなんと10歳年下の25歳ということで,おいおい俺が24会館に初めて行ったのと同じ年じゃねーか,それにしてはめちゃくちゃ慣れてるな君,という感想.逆に相手には「言い方が正しいかわかんないですけど,いい年の取り方してますね」と.普段ゲイ界隈では年上の人とばかりコミュニケーションをとっているからか,その指摘を新鮮に受け止めました.そうだよな,この店で僕より年上なんてTOOTさん含めて数人だろうし.一方で,「ゲイバーって行ったことなくって」とか「ハッテン場に出入りするのはちょっと...」みたいに純情を装うことが効果的な時期も既に過ぎ去ってしまったのだなと,大変複雑な気持ちになります.僕にもなんやかんや,若くありたいという願望があったということなのでしょうか.
連絡先を教えて欲しいと言われ,ロッカーでお互いのスマホを取り出します.ナイモンを開くも,二丁目周辺はユーザが多すぎてすぐには相手のアカウントが出てきません.彼は慣れたもので「ハウリングしてくれれば探しますので」といって操作を教えてくれました.アプリのスクレイピングを実装するくらいにはナイモンの仕様に興味津々の僕ですが,実はハウリングなどという恥知らずな機能は一度も使ったことがなかったのです.結局ハウリング処女をBodyBreath!で捨てることになりました.着替えてもう一度バグします.彼はこのあとゲイ友と新年会ホムパということで,店を出ると曙橋方面へ,僕は三丁目方面へ帰路につきました.
入店してから1時間足らずで起こった出来事を,帰りの電車の中で反芻します.ここまでの年下とやったのは初めてであること,タチならばぜんぜんアリだということ,ウケをやるには若干の心理的ハードルがあったこと,しかしDIESELくんがタチをやりたがったとしてもきっとOKしていただろうこと.度重なるチンコツンツンにも動じず,承諾した相手を個室内で振り,更には個室に移動するまでの道すがらでバックレるなどという道義に反した行為を平然とやってのけ,ついにはハッテン場から世界に向けて堂々とハウリングなんてしてしまう程度にはアラフォーな僕です.早晩相手の年齢やポジションなどどうでも良くなるに違いないのです.
後から聞いた話ですが,ケツ掘りブランコの奥には更なる部屋があって,そこはBodyBreath!の姉妹店であるBearsCampと行き来ができる扉があるんだとか.そちらのコンセプトはその名の通りガチムチだそうで,若い子目当てのおじさんたちがBodyBreath!に流れてくることもしばしばなのだそうです.明らかに雰囲気の違った方々はそれに該当したのかもしれません.より豊富な筋量を求めて足を伸ばすてもありましたが,そちらでは僕のような体型は需要とマッチせず収穫は芳しくなかったことでしょう.
結果だけ見るとやはりBodyBreath!がいまのところの最適解な気がします.広くて人数は多いですし,それなりに鍛えている人も居つつ僕でも一定の競争力を保持できていたわけです.むしろ,今回露骨な筋トレの恩恵を享受したことを思うと,やっていなかった時のダメージを想像するだけで恐ろしくなってしまいますね.その場合は24会館で手を打つという選択もあったでしょうが,それだって20代半ばのあのときとは全く状況が違うはず.よかった,本当によかった.最後に頼れるのは筋肉です.転んだって鍛えたハムストリングさえあれば何度でも立ち上がれるのです.スクワットはローバーでフルレンジなのです.こうして10年ぶりのハッテン行為は成功裏に幕を閉じたのですが,次はまた10年後...だともういろんな店で入店拒否にあってしまうだろういから,今度は筋トレ頑張ってVOLCANOかな.1年後を目標にでもしましょうかね,なんて.
実家の最寄り駅につく頃に,DIESELくんからインスタでメッセージを受け取りました.僕がプロフィールにIDを載せているのに気づいたのでしょう.彼の投稿している写真を眺めていると,先程まで薄暗い店内で見ていた姿よりも更に幼く,年相応の25歳という印象.発達した彼の大胸筋と,入店前の僕の性欲を差し引くと,おそらくアプリでアプローチされてもスルーしていたはず.別に後悔はしていないけれど,何故わざわざ,初対面で言葉もかわさず,まして顔もよくわからない相手とやるためにハッテン場に足を運ぶのでしょうか.手っ取り早い性欲の発散が目的ではあるものの,それに付随する完全に性欲オリエンテッドで即物的な接触に基づく自己の市場価値の確認,このあたりな気がしています.暗闇の中で肝心なところに目をつぶりながら,腹の中は決して明かさず,お互いに都合よく自己肯定感を高めあうという営み.
インスタのDMを入力していると,今度はLINEの通知です.お相手はTOOTさん.実のところ,事後にシャワーを浴びてロッカーでDIESELくんを待っている間に,既に着替えを済ませたTOOTさんに声をかけられたのでした.今日はタイミングが悪かったけれど,今度一緒に飲みに行こうとのお誘いとともに,QRコードでLINEアカウントを交換.なんたる不埒ぶり,傍若無人もここに極まれりです.
僕もまた彼にとってのNo2,次点候補がたまたま繰り上げ当選しただけのことなのかもしれませんが,所詮はハッテン場での出会い,2ndビキナーズラックとでも思って本能のままに動くことにいたしましょう.すぐにTOOTさんと飲みの日程を調整します.当日は僕もTOOTのパンツを履いていこうかしらん.ふとそんなことを考えながら,年始で人通りのまばらな街をゆっくりと歩き出しました.