巨人の肩に立ちたいゲイ

30代ゲイのブログ。ゲイとしての考えたことをアウトプットしたり整理したりするような場にできればと思っております。やまとなでしこの頃の堤真一が好きです。

大阪午前三時 ワンナイトスタンド編

以前にこんなエントリを書いたのです.要約すると,わりと好みの元AV男優からナイモンでアプローチが来たんだけれど,まごついているうちにブロックされてしまったから,未練がましくそのひとのビデオで抜いて寝ましたという話です.あれ,情けなくて涙が出そう.

 

shouldersofgiants.hateblo.jp

 

実はこのお話には続きがあるのです.ちょっと前に大阪に出張に行っていたんですけれども,その時に同じ方からアプローチを受けたんですね.例のごとくナイモンで,向こうから「いいね」がついていて,プロフィールをのぞいてみたらまたしてもアカウントを作り直したと思われる元AV男優本人の写真.前と同じに見えるけど,別のアングルのものも追加されています.ハウリングでは今日も元気に夜のお相手を探している様子でした.

 

二度も向こうからアプローチが来るなんて身に余る光栄.毎晩のように相手を探していたんじゃ,いちいち過去にブロックした相手のことなど覚えていないでしょうから,もしかしてほんとうに僕(の写真)のことが好みなのでは?と思えてきます.彼は「東大阪を歩いているような普通のこ」が良いようなのです.果たして褒め言葉と捉えてよいものか議論の余地はありそうですが,少なくとも本日に限っては圧倒的にポジティブ!仕事が終われば夜の予定はフリーですから,大阪に来ているこの千載一遇のチャンスを逃すわけにはいきません.いいねの応酬なんぞしている暇はありませんので,すぐさまメッセージです.

 

僕 「こんにちは!出張で大阪来てます.」

相手「返信ありがとうございます.今日か明日やりませんか?」

 

一瞬でメッセージ返ってきた!しかも明日の相手も探してる!なんだろう,セックスの予定が詰まってないと死んじゃう人なのかな?まあAV男優なんだしそれくらいの性欲があって然るべきでしょう.ということで,こちらのホテルに足を運んでもらうということでトントン拍子にスケジュール調整完了.午後の仕事はずっと心ここにあらずの状態でした.僕,今夜AV男優とやります...

 

こんなブログを書いているくらいですから,清らかで高潔な精神を有しているなどと主張するつもりはありませんが,一応これでも即ヤリは2回目です.どちらかといえばキレイ寄りなのです.1回目はマッチョな画家とお手合わせしました.彼の性技に圧倒されてしまい,結局一回きりだったけれど.

 

shouldersofgiants.hateblo.jp

 

その後,元AV男優氏からは断続的に顔写真のやり取りや待ち合わせの段取りについて連絡が入ります.やはり相当に手慣れており,それは過去に幾度となくイタズラやドタキャンにあってきたことを感じさせました.まあ好奇心にまかせてワンナイトの誘いにのっているという点では僕も同類ですけれど.そうこうしているうちに時間となり,ほぼほぼ時間通りに彼から連絡が入りました.ホテルの前まで出迎えに行くと,そこには事前に聞いていた通り上下スエット姿の彼が.明らかにゴツゴツとしたシルエットが長年のジム通いを感じさせます.ぶっきらぼうな挨拶,リラックスしているとは言い難い表情.気まずい雰囲気を漂わせたまま部屋に入りました.

 

大阪出張はだいたい新大阪駅直結のホテルに泊まります

 

なんとなく,即ヤリを繰り返す人って対人関係を築くのが上手な人,というイメージがありました.初対面の人といきなり肌を合わせるなんて,それはもうヤリ手の営業マンのような会話力や交渉力がないと無理だろうと漠然と思っていたんです.しかし,いざ経験してみるとそんなものの介在は不要で,単に相手の性欲を刺激するだけのプロフィールと,ソクヤリを提案もしくは合意するおもいっきり,そして性行為の有する純潔性という幻想への諦念が全てのようなのです.言葉少なで明らかな警戒心を漂わせる彼を見ながら,ビデオの雰囲気とは結構違うな,などと考えていました.

 

シャワーは浴びてきたということで,部屋を少し暗くしてそのままことに及ぶことにします.スエットを脱ぐと,これはもうどう形容したってゲイ向け官能小説の陳腐な描写の二番煎じにしかならないような,いわゆるガチムチの上半身が顕になりました.ボディービルやフィジーク体型とは一線を画していますが,ゲイの世界における正義であり正解がここにあります.

 

しばし抱き合いつつ,どうしても目が行ってしまう大きく肥大した大胸筋の,だいぶ下の方に位置する乳首を触ってみると,思った以上に声を出して喘ぐのです.これはビデオで見たのとおんなじだぞ!としょうもないことに感動しているうちに,彼がチンコを僕のケツに押し当ててきます.ああ,やっぱりタチなのです.もちろんこの事実もビデオで予習済みなわけですが.そのままキスを繰り返しつつ互いの身体を弄っていると,徐々に彼の体温が上がっていくのを感じます.筋肉質なひとは基礎代謝も大きいので体温も高めだと聞き及んでいますが,言われてみればビデオでもいつも汗びっしょりだったもんな.

 

「セフレになって欲しい.めっちゃタイプだ」

 

そう言われたのはおもむろにベッドに押し倒された直後でした.互いの気分を盛り上げるために相手を褒めるという行為には一定の効果があります.かっこいいだとか,かわいいだとか,筋肉がすごいだとか.それでセックスがいいものになるのであれば,多少の気恥ずかしさには目をつぶってでも口に出すべきでしょう.しかし,セフレになって欲しい,はどう解釈すればいいのでしょうか.一般的には「本命ではない」ものの代名詞.少なくとも男女間の文脈におけるセフレというのは比較的ネガティブなものだと思います.ただし,彼の場合は毎日のようにセックスの相手を探してハウリングを繰り返しているわけですし,「定期的にやるセフレ」と「ワンナイトスタンドの相手」の選別に限定すれば一次選考に残った,という解釈も可能かしらん.

 

その場ではとりあえず,「うん...(〃ノдノ)テレ」などと殊勝な反応をしておいて,あとはもうAVの世界に入り込んだ妄想をしているうちにコトが終わりました.お互いに出した精液を拭うこともせず,しばし抱き合います.確かな満足感はありました.ただそれは,十数年来の欲望が浄化されたことによるものが大きかったようにも感じました.

 

ワーディングの論争に戻りますが,セフレって見た目がタイプだからなるものなんでしょうか.やはり体の相性とは切り離せないはずで,ヤり終わらぬうちから「セフレになろう」という申し出は時期尚早では,と考えずにはいられません.と言うのも今回の即ヤリ,贔屓のAV男優とやるというコンセプトはこれ以上ないくらいに素晴らしかったものの,セックス自体はなかなか物足りないものを感じたからなわけです.ケツに入れたいばかりが先行していてちょっと情緒が足りないというか,作品ではウケをやっていた割にはウケ側の気持ちをあまり考慮していない性行為だったなという感想です.彼の価値はその絶対正義のルックスにあって,性技で加点を狙うタイプではなかったということ.技術が伴わなかったところで無限に相手は見つかるでしょうから,その方面での進歩は必ずしも必要とされてこなかったのでは?と勝手な想像を働かせるのでした.

 

では今回のオファーは断るのか?もちろんそんなもったいないことはできません.年上ガッチリ好きの僕からするとやはり魅力的.誰の言葉だったか忘れましたが,男性はセックスのために女性と会話し,女性は会話するためにセックスするのだそうです.だとすると僕は断然女性派でして,より親密なコミュニケーションのためにセックスもするよね,というかんじ.即ヤリかましといて一切説得力がないのは重々承知ですけど.

 

いちゃつきながら,他愛もない話しをする彼は,対面当初のぎこちなさが消えていて,僕が一方的に知っているビデオ出演当時のひとなつっこい表情を湛えていました.ピロートークの彼が本当の姿なのでしょうか.そう言えば,どことなく元彼の面影をも感じる元AV男優氏.別れてから彼の作品が気になるようになったことをふと思い出し,途端に感傷的な気分になります.僕のこの執着心は果たしてAV男優の彼本人に向けられたものなのか,それとも元彼への想いを投影しているだけなのか.いまいち頭の整理がつかず,その日幾度となく繰り返した,ほのかにリステリンの味がするキスの感触でしばし忘れることにしました.