巨人の肩に立ちたいゲイ

30代ゲイのブログ。ゲイとしての考えたことをアウトプットしたり整理したりするような場にできればと思っております。やまとなでしこの頃の堤真一が好きです。

初めてのハッテン場は新宿24会館でした(2)

昨日の続き.

 

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風呂から上がると狭い脱衣所には先客が何名か.ここだけ切り取ればごくごく普通の銭湯で見られる光景でしょう.しかし,このなかには最奥のサウナスペースでハッテンに成功したひともいるに違いないと思うと見る目が変わってきます.僕も次こそは.体を拭いて濡れたバスタオルは各々がロッカーの扉に引っかけるなどして器用に乾かしているのを入店時に確認していたので,ひとまず階下へ.ロッカーではやたらと背の高い黒人男性がいて流石新宿というかんじです.エロのインバウンド,ハッテンは人種や肌の色を問いません.しかしそれにしても.ただでさえ暗い照明に肌の色も黒いときてはチンコの大きさを確かめることは叶いませんでした.黒人のそれは馬並みというけど,やっぱり人によるんでしょうか.

 

2Fにはロッカーのほかに食堂や休憩室があったのですが,食堂は営業時間外なのかやっておらず.休憩室はスーパー銭湯でよく見るタイプのソファーが並んだ形式なのですが,全て埋まっていました.しかもよく見ると各ソファーの横に膝立ちになって何やらしているおじさんたちが見え,ここも立派にハッテンスペースであることが伺えます.24会館には無駄な空間など一つもないのでしょう.全てがハッテンそれだけのため.きっと受付の中だって例外ではないのです.

 

それでは,と気合を入れて4Fの大部屋へ向かいます.まずは廊下.ここが一番の狩場なのでしょうか.多くの男が腕を組んで壁にもたれており,互いに気のない素振りを見せつつ,その実注意深く周囲を伺っています.身動きするだけで視線が集中する緊張感漂う空間.ガウンを羽織った人が多いものの,バスタオルを腰に巻いて上半身を見せつけている者,ほとんどミニスカート状態のフェイスタオルだけを身にまとい挑発する者...やはり身体自慢は露出が多い傾向にありそうです.風呂でも感じたことではありますが,鍛えている人の割合は世間一般に比して明らかに高く,ゲイのジム通いの実態が実感を持って伝わってきました.僕もジムに通おう,そう決意しました.もちろん以降10年にわたり24会館での誓いが果たされることがなかったのは僕のこの身体が証明するところです.

 

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こんなかんじのガウンだったと思うんだけど...もう忘れちゃったな.水色だっけ?

 

廊下ではそれなりに人の往来もあるのですが,なんだか停滞感が漂います.意識し合うばかりで誰もアクションを起こさない.半裸の男たちの人間模様を観察するのも興味深くはありましたが,僕の好奇心は更なる刺激を求めています.二段ベッドのある大部屋へ足を踏み入れました.例のあの臭いが一層強くなります.男性の少し汗臭いくらいの体臭はむしろ好きなんですが,このすえた精液のような臭いはどこか陰鬱としており,そのまま受け入れるのは難しそう.部屋の中では話し声などは一切聞かれず,もぞもぞとした衣擦れの音,粘膜と粘膜の密着が発する音,身体が身体に打ち付けられる音,そして少しの喘ぎ声が満ちていました.この上なく卑猥.徐々に目がなれてくると二段ベッドの下段ではそこかしこでそのような行為が行われていることがわかります.中には上段に続く梯子に足をかけ,そこで寝ている(もちろん起きている)相手の身体に触れて様子を伺っているような影も見えます.人の流れを見るに,ここでは(A)ベッドに寝て相手のアプローチを待つ,(B)部屋を徘徊し寝ている相手にアプローチを仕掛ける,(C)別の場所で互いにコンセンサスを取りヤル場所を探している,の3タイプに分けられるようでした.既にベッドには空きが見つからず,必然的に(B)の振る舞いが要求されそうですが,初心者たる僕にそのような積極性を求められても困ります.次に行かねば!

 

5Fは主に個室らしく,別料金を支払うとホテルのように部屋があてがわれるようです.ハッテン場に部屋を取るというのもなかなか狂っている気がしますが,好みの相手を誘う時に「今から俺の部屋に来ない?」と言ってルームキーをちらっと見せるというのは効果的なのでしょうか.僕はちょっと嫌だなぁ.それならもう少し雰囲気のある所が良いし,ハッテン場ってもっとこう,野性的に性を貪り合う場でしょう?しかもこの階層にはオープンなハッテンスペースも用意されており,廊下の奥には細長い中部屋がありました.覗いてみると雑魚寝を想定した布団の上で元気に3Pが行われている様子.更にその向こうで寝ている少し細めのおじさんのビキニが白く浮き上がっており,どうやらこの部屋の照明はブラックライトであることが伺えました.この部屋で光り輝くことを意識しての戦略的コーディネート.玄人のなせる技です.3Pには交わらず今夜は孤高の存在としてその部屋に在り続けてほしい.そう願って僕はそっと部屋を後にしました.

 

中部屋に隣接する形で小部屋もありまして,こちらは四畳半かそれよりも更に小さい単位に分割されたレイアウト.ベッドのように空間が仕切られていないためミストサウナで見たような乱交が行われるのでしょう.しかし今はどのスペースにも人が寝ており(もちろん寝ていない)特に何もないようです.大体様子がわかり廊下に戻ろうとしたところで,入れ違いにガウンの上からでもはっきりと分かる胸筋を有したガチムチな方とすれ違いました.身体を横にして通り抜けようとすると突然,「えいっ」というお茶目な発声とともに僕の両乳首がつままれました.???呆気に取られながらもその声の主であるガチムチを見ると,殺伐としたハッテン場に似合わぬにこやかな笑みを浮かべています.ますますわけがわからない.とりあえず愛想笑いを返してみると,彼は「かわいい!」と言って僕をハグし,そのまま小部屋の中に消えていきました.何だったのでしょうか,しかし心做しか勇気をもらったというか,頑張れよと激励されたようにも感じられてきます.

 

気を取り直して主戦場の4F廊下へ.失礼ながら,基本的には冴えないメンツではあったものの,ところどころ好みの男性がいないわけでもありません.黒いボクサーにガウンを羽織っている大柄の男らしい人,バスタオルを腰に巻いた暗闇でも色黒に見えるマッチョ坊主.僕からするとこの空間において当該の2人が飛び抜けているのですが,それは他のメンツからしても同じこと.先程からなんとなく彼らを取り巻くように位置取りし,互いに牽制するような視線を交わすだけ.それもそのはず,既に何人かがマッチョに果敢にチャレンジし,見向きもされずにスルーされているのです.微動だにしないってこのことだな,というくらい清々しいほどのスルー.あんなのを見せられたら心が折れちゃいますよね.しかし,ガチムチにもらった勇気で自らを奮い立たせ,それならばとガウンの男性に話しかけることにします.ガウンから覗く身体はガッシリと厚みがあるものの鍛えすぎてはおらず,とても健康的に見えました.向こうもこちらが近づいてくることを認識してる様子ですが,その視線からはいまいち真意が読み取れません.ええい,いくしかない.

 

「あの,か,かっこいいですね...」

 

言ってしまった.少し掠れた声になりましたが,考えてみるとこれが24会館に入店してから発した初めての言葉でした.彼は少し驚いたように目を見開き,しかしそのまま頷いて「やる?」と大部屋の方を指差します.拍子抜けするほど簡単に事が運び,それはそれで動揺してしまう僕.後ろをついて行くと,先程よりさらに熱気を帯びた暗闇が広がっていました.いよいよベッドに空きなどありません.どうするのかと思っている彼は僕の方を振り返り,ガウンに手を突っ込むと乳首を舐めてきました.立ったままやるんかい.しかし男前とやれる高揚感でそれどころではありません.僕も彼のボクサーに手を這わせます.それなりの重量感が感じられる股間には硬いものがあり,相手もしっかりと興奮していることが確かめられました.

 

ところが.次の瞬間強い力で僕の下着に腕が滑り込んできます.何事かと思い振り返ると,別のおじさんが背後に立っていて無表情にこちらを見ており,そのまま僕のアナルに指を突き立てようとするのです.え?なに!?怖すぎるんですけど!!その腕を掴みどうにか引き剥がそうとしていると,もう1人別の人影が近寄ってきて,今度は僕の乳首を舐めていた男前の下着に手を突っ込んでいます.しかも,男前はそのままボクサーを脱がされても全く動じず,そのままチンコをしゃぶらせている.なんだこのカオスは.そうこうしているうちに僕のアナルを狙う手がもう一本増え,ガウンも無理やり脱がされそうになってきました.廊下からついてきた人たちなのか,それとも大部屋の暗闇をさまよっていた人たちなのか,とにかくこいつら全員狂ってやがる!

 

周囲をベッドに囲まれ,立ったままの5Pなんてとてもじゃありませんが無理でしたので,どうにかアナルを守りきり脱出します.恐らく男前はそのまま残ったのでしょうが,彼は彼で楽しむのでしょう.所詮はハッテン場に来るような男ですので知ったことではありません!廊下に戻るとついさっきのメンツが相変わらずマッチョ坊主を取り囲んで硬直状態.なんだか急に馬鹿らしくなってしまいました.時間はもう2時を回っています.慣れない経験にどっと疲れを覚え,寝床を探すことにしました.突然アナルに指を突き立てられたりしない安寧の地はないだろうか...

 

つづく...?

 

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