再三にわたり申し上げていることですが,僕は年上で頼りがいのあるようなタイプが好みなのです.これを単なるファザコンこじらせた結果であると解釈するのは諸兄らの自由ですが,ともかく結果として相手がタチであることが多く,当然の帰結としてこちらはウケのポジションにおさまることになります.リバなのでもちろん満足はしていますし,セックスのうまいおじさんのテクに酔いしれるのも乙なものではありますが,それでも時として「マッチョなおじさんをよがらせたい」という御し難いタチ欲求が頭をもたげてくるのもまた事実です.
先日,ナイモンでマッチしてからメッセージのやり取りが盛り上がっていた10歳ほど年上の方と飲みに行って参りました.会ってみると,写真でみた以上に身体つきもガッチリしていて,物腰は柔らかいものの関西弁のトークはテンポが軽妙,結構兄貴肌なところのある人.こんな上司がいたらいいな,という良い意味で普通っぽい雰囲気を醸し出していました.2軒目に流れてそれなりに酒を飲み,お互いにある程度好ましい感触を持っていることは共有できたと思うのですが,翌日仕事ということもあってその日はお開きに.その後もLINEのやり取りを続けていました.
しばらくして,仕事の繁忙期も過ぎ久しぶりに飲みに行くことに.お互いに体の関係まで行く予感はあったと思うのですが,何れにせよ久々の会話は大変盛り上がりました.どちらかと言うと僕がボケ倒して,それを相手が毎回拾ってくれる感じ.他愛もない話ばかりしてたので正直なに喋ったかあんまり覚えてないんですけれども.まあ僕のことですから大方世間に対する悪口でしょうね.
んで,帰りの電車の方向が同じだったので,一緒に僕の最寄り駅まで行き,その直前に僕から「部屋で飲みなおしましょう」と誘ったわけです.駅前のコンビニで申し訳程度にチューハイなど1本ずつ買っていったものの,半分も空けないうちにソファーの上でキスしてそのままベッドインすることになりました.
その方はプロフィールにポジションを書いていなかったものの,雰囲気としてはタチかな?というかんじ.年上ということもあり自然と僕が攻めされる側に回っていたのですが,いろいろと手の内を探っていくうちに相手が乳首やら首筋やら脇のあたりでだいぶ感じやすいことがわかってきまして.調子にのってそのあたりを攻めたりしているうちにビクビク身体を震わせたりするものですから,僕の方もスイッチが入ってしまい,シャワーも浴びずにあんなことやこんなことを...
こんなとき,リバだとお得だなと思うのです.相手に合わせてポジションを変えられるし,僕のように諸々の経験が浅くても,自分自身の「こうされると気持ちい」という実体験はプレイに活かしやすいですから.タチ一辺倒の人よりも上達は早いんじゃないかと確信しております.流石に30も半ばに差し掛かり,ウブであることを売りにできる年齢でもありません.あらゆる経験を糧に貪欲に成長していく必要があるのです.
そのような向上心あふれる姿勢で性行為に臨んでいたところ,何度か身体を重ねるうち,だんだんとお相手の感じるツボのようなものが見えてきて,先日ついにトコロテン及び潮吹きを体験いたしました.どちらも初見ではなかったのですが,タチからするとやはりグッとくるものがございます.おまけにいく瞬間に「あかん!」って.なんだよそれエロすぎるだろ.色恋沙汰における方言というのは形容し難い艶めかしさがありますね.
加えて,更に驚いたのが行為の間に気を失ったこと.失神.あんなものAVや同人誌なんかのファンタジーだとばかり思っていたのですが,いやはや迷走神経反射って凄いんですね.寝バックで掘りつつ首筋や耳を舌で刺激していたら,突然喘ぎ声が止まって脱力して,ほんと「カクン」って音が聞こえてきそうな見事な失神.ちょっと焦りはしましたけれど,以前から「やってる最中に落ちちゃうことあるんよな」と言っていたので,ああこれかと.すぐに意識が戻ることが確認できたので,その日は調子にのってそのまま同じところを攻め,何度か失神するのを楽しんでいました.健康上のリスクはどうなんだろうか.
てなわけで,図らずもマッチョなおじさんをよがらせ,あまつさえ僕の攻めで失神させるという幸運?に与かり,しばらくは仕事に集中することもできずフワフワとしておりました.僕のような小柄な人間からすると,身体の大きなウケというのは体位の移行がなかなか難しく苦労するのですが,その反面征服している感はまた格別なのです.年上のウケの方だと,普段からニャンニャン甘えてくるタイプが多いのですが,行為が終わるとまた年齢通りの関係性になるギャップもポイントの高いところです.あんた最高かよ.
ちなみに,男の性暴力は性欲というよりもむしろ支配欲に立脚するという,支配欲説なる社会学的説明がブラウンミラーなどによってなされたりしています.一部のフェミニズムな人々はこの考えを支持するようで,男性は女性をレイプするように社会に教えられている,これは改められるべきである,というような主張です.支配・被支配の二元構造とその不均衡,そしてその打開というマルクス的な枠組みの安直な援用というのは最早流行らないと思うのですが,この観点からすると,繰り返し失神させたくなるという性衝動もまた,ゲイAVによって長年教え込まれたある種のロールプレイの再生産にほかならないということでしょうか.BL的解釈においてもこれに相当するジャンルが確立されているとおり,支配欲説が男性間においても拡張可能かもしれません.
んまあそんな蛇足はさておき,それだけ身体の相性が良いなら付き合えばいいじゃんとなるわけですけど,それは本当にその通りなのです.一緒にいて楽しいし,普通に彼氏案件なのです.僕が自分の仕事の忙しさを言い訳に告白という一歩を踏み出せていないだけという話です.むこうはその辺を察してくれている部分もあり,ぬるま湯のような居心地の良い関係性を提供してくれていますが,これはもう覚悟を決めないといけないのかも.でもなぁ,あまりにセックスが良すぎて,それに引っ張られて判断力が鈍らされている可能性も否定できません.支配欲を拠り所とした発情期を過ぎると,途端に終焉へのカウントダウンが始まってしまうような関係性などしんどすぎます.モテてこなかった人間はこうして肝心なときに迅速な意思決定ができず,負の連鎖に自らを貶めているのでしょうか.
とにかく次のデートの予定を調整しながら,自分の本心に向き合う時間が必要のようです.なんちゃって.